私達が男木島の耕作放棄地を再利用する形で鶏を飼い始めたのは2020年夏のことです。島のあちこちに点在する畑で小麦や野菜を育てているので、一緒に鶏を飼えば有機物が気持ちよく循環していくなぁと考え、最初はお試し感覚で17羽からスタートしました。飼い始めるとその飼育の容易さと鶏の可愛さと循環への貢献、そしてなによりも卵を自給できることの喜びをひしひしと実感することになりました。2022年末からはついに羽数が100羽をこえ、いよいよ本格的に鶏卵の生産体制が整ってきたので満を持して通信販売のページにものせることにしました。

環境

ケージの類を使用することはなく、季節ごとに多様な形態で飼育しています。離島という特異な環境のため、基本的に鶏の天敵はいないのですが、トンビに襲撃されることやカラスに卵を盗まれることがあったので、完全な放し飼いではなく網を使って鶏の行動範囲を守ってあげる工夫をしています。具体的には、雑草が茂らない冬季は運動場がついたドアのない鶏舎で飼育しています。鶏は24時間自由に屋内外を行き来でき、寒ければ中に入って日光浴するときは外に出て暮らしています。春〜秋まではチキントラクターとして島の中のあちこちの畑や空き地で雑草や虫をついばみ、糞をして、地面を耕してくれています。青草や土が大好きな彼女らの希望を叶えるとともに、畑の土作りを手伝ってもらうというwin-winの関係を意識しています。

飼料

鶏が食べる飼料はオリジナルでブレンドしたものです。飼料作りは、まず山に行って栄養たっぷりの腐葉土と落ち葉を集めるところから始まります。この島の腐葉土と米ぬかをベースとして、そこに廃棄野菜や牡蠣殻などを配合してしばらく寝かせた自家製の発酵飼料を作ります。雨の当たらない屋外で管理していますが、冬でも湯気があがるほどほかほかと発酵していて、鶏たちは喜んで食べます。

あとはサプリメントのようなものですが、島の人たちにも可愛がってもらっていて彼ら彼女らから廃棄野菜を毎日のようにもらったり、雑草や落ち葉などをたくさんあげたりしてのびのびと育てています。量としては副次的なものですが、漁師さんたちにいただく魚や貝を細かくしてからあげたり、猪が獲れたときにはその端切れ肉をあげたりと多様かつローカルな飼料で栄養を確保するようにしています。いわゆる自然養鶏というものに近い育て方だと思います。

品種

ここは全国でも養鶏が盛んな県のひとつ香川県ですので、地域貢献の一環として香川県の畜産試験場が品種改良の末に誕生させた讃岐コーチンを飼っています。大型かつ温厚な性格でとても飼いやすいと思います。

 

※卵の色について。

卵の色と栄養や美味しさには関係がありません。殻の色は品種によって異なり、讃岐コーチンはいわゆる赤玉を産みます。黄身の色は飼料によって左右されるものです。ここでは黄身を着色するための餌を与えることはないので、やや薄めのレモン色と呼べるような色が主体です。

※輸送中の破損について。

卵の検品には細心の注意を払っておりますが、それでも過剰なカルシウム添加をしていないせいもあって、輸送中の破損はわずかな可能性ながら起こり得ます。そのためパック内の1個は補償として入れております。破損がなかった場合はそちらもお召し上がりください。もし2個以上の破損が開封時に認められた場合は、お手数ですがその旨をご一報ください。その際は送料負担の問題があるため申し訳なく思いますが原則として返金処理とさせていただきます。同梱商品があり、万が一全体の汚損が著しい場合には相談のうえ別途対応させていただきます。

讃岐コーチンの卵

¥500¥850

クリア
讃岐コーチンの卵

商品の一覧