24年度(25年3月まで)の募集は締め切りました。 現在は25年4月からの枠が空いていますので、そちらをご検討ください。(24年1月追記)

この度、私たちは一風変わったことに挑戦しようと思います。それは弟子を取ろうというものです。そしてそれはダモンテ商会の外仕事部門である夫の海笑氏直属の弟子であり、お店に直接的ではなく間接的に貢献してもらおうというものです。詳細については以下で説明します。

1.大前提
ダモンテ商会は香川県の高松市に位置する小さな離島男木島でダモンテ夫婦によって営まれている飲食店です。家族経営の小さな飲食店で、そこのメインの仕事はお菓子やパンを焼いて、サンドイッチなどの軽食を用意して、ドリンクを提供するというものです。
しかし一見では分かりづらいところに私たちの活動の独自性があり、その主たるものが夫が担当している外仕事です。当商会では、外仕事部門がお店に持ち込む数々の生産物/製作物によって、(全てではありませんが)お店で提供する美味しいものやサービスが形作られています。その内容は多岐にわたりますが、メインのものは畑仕事、猪の狩猟、養鶏、大工や木工といったところでしょうか。畑でとれたものと自作の猪ハムでサンドイッチを作り、ケーキを焼くための卵を毎日取ってきて、DIYで作った空間でそれを提供するということをしているわけです。

2.ダモンテ海笑について
商会を運営するダモンテ夫婦の夫です。本名です。1984年生まれ。イタリア系アメリカ人の末裔。母語は日本語。英語は得意ですが普通に勉強して身につけたので、ネイティブレベルではありません。かつては大学で考古学の研究をしていました。 DIYと本と映画を愛するフェミニストでありアナーキスト。
畑は一人で合計7反以上(サッカーコートぐらい)を管理していて、鶏は100羽を毎日世話していて、猪を1年で30頭ぐらい捕まえてさばいて調理していて、小屋レベルなら余裕で一人で建てられる大工技術がある、という感じです。さらに普段のお店で使うパンを焼き、パッケージデザインやwebページのためにMacをいじりつつ、週末は子供と一日中遊ぶということも付け加えておきます。あ、電気工事士の資格も最近取りました。

3.制度の背景
夫は店頭には顔を出しませんが、人知れず裏ではハイパー働いていて、それを補助する人材がほしいというのが正直なところです。アイデアも技術もフィールドもあるのに、それを実現する時間と労働力が足りないのです。
ということで、夫がこれまで数々の失敗を経つつも時間をかけて獲得してきたあらゆる技術と知識を惜しみなくシェアするので、夫と一緒に働いて学ぶ人がいればなぁと思っているのです。
手前味噌ではありますが、実際に縁もゆかりもない田舎に移住してきて、そこで自分たちで暮らしと仕事を成り立たせている技術や知見を実地で得られる機会なんてそうないと思うのです。農作業・大工・電気工事・狩猟・養鶏・調理。夫がやっているこれらのうち1個2個でもマスターすれば「田舎で仕事を作り出してゴキゲンに暮らす」というのはかなり余裕で達成可能だと思います。

4.制度の概要
期間:およそ1年ぐらい(要相談)
単純な技術だけだと習得は半年もあれば充分かもしれませんが、ウチでは仕事同士が互いが有機的に結びつくようなやり方を心がけているので「半年間ひたすら毎日猪を狩猟」というようなことはできません。暮らしと仕事は一体なので、総合的に学ぼうと思うとやはりそこそこの時間は必要になると思います。

居住場所:我が家の空き部屋、または隣の空き家
昨年ウチの隣の空き家を購入して、いまはそこの修繕作業をしています。家全体のうち半分は農作業や大工仕事に使ったりしていますが、きれいな部屋もトイレ風呂もありますし、単身であれば問題なく生活できると思います。

生活費:基本はゼロ
弟子なのでウチで面倒をみます。携帯電話代とか税金というような個人的な分までは手が回らないのでそのあたりはご自分でお願いします。お小遣い程度のお給金は出そうと思いますが、あまり期待しないでください。

内容:基本はハード。身体と手と頭をたくさん使う。
前に触れたように夫の外仕事の補助です。暑かろうが寒かろうがやることは無限にあります。晴れたら畑や猟に出て、雨が降ったら古民家の改修や座学の勉強をすすめるといった感じです。理論と実践を交互に回していくというスタイルなので勉強もたくさんします。夫は超絶健康優良児&ワードワーカーなので、頑張ってついていってください。

時間:就業時間はとくにありませんが、目安は9時には働き始め(夫は4時からなのでだいぶゆるめです)、19時頃には晩ごはんです。もちろん季節や情熱によって変動します。

休日:夫は休みませんが、必要と自分で判断すれば必要なだけどうぞ。

5.期待できる学び
広くは「自分で暮らしをつくること」が学べると思います。ビジネスやブランドの観点、日々のメンテナンスのこと、地域コミュニティのことなどなど学びの点はいくらでもあります。いまの世の中YouTubeなどで付け焼き刃の知識を得ることは簡単にできますが、身体を使って覚えたものは一生自分のものにできると思います。
個別には、農作業でいうと、有機農業がどのようなものか、年間スケジューリング、種まき、苗立て、定植、雑草管理、土壌環境の整備、追肥、収穫、後始末、保存食加工、調理、堆肥づくり、肥料づくりなどなど。
大工仕事でいうと、計画立て、予算検討、材の選び方、道具の使い方、ホゾ組のやり方、リノベの仕方、構造と化粧、外装と内装などなど。
狩猟では、山の歩き方、痕跡の見分け方、狩猟免許の取り方、保健所の許可の取り方、罠のしかけ方、仕留め方、解体、包装、調理などなど。
養鶏では、餌の作り方、鶏を飼い始めるには、鶏舎の建て方、日々のお世話、卵の使い方、鶏の締め方、調理方法などなど。
言ってしまうと1からすべてを学べるということになりますが、とはいえ全ては関係しあっているので、つまりは暮らし方を全身で学ぶということになるかと思います。一例をあげると、包丁の研ぎ方をマスターすることは、ただただ手の動かし方だけを身につけるだけにとどまらず、包丁の作られ方、その物理的特性、料理の種類による包丁の使われ方の違い、さらには道具をメンテナンスすることの意味、いざというときに備えておく心構え、大量消費社会のあり方などなどについて考えを巡らせるということを意味しているということです。

6.卒業後について
どこかへ斡旋などはありません。ただここで身につけた技術と哲学とそれに伴う自信は、どこへ行って何をしようとも必ずや今後の人生の助けになると確信しています。例えば地方移住して自分で仕事を作り出す場合にはここでの経験はストレートに活かせると思いますし、都市で給与労働者として働くにしても「世界に素手で触れた感覚」はきっと以前とは異なる地平にあなたを連れて行くことになると思います。

7.向いている人いない人
もしスキルや経験がなければここで修練すればいいだけなのでそれらは問いません。センスはこちらではどうすることもできないのでそこはちゃんと問います。
心身ともに健康で頑丈な人、学びに貪欲な人は向いているでしょう。やりたいことが明確な人、疑問をちゃんともって質問できる人、ポジティブなモチベーションをもって取り組む人がいいような気がします。
逆に向いていない人は、学びを勘違いして受動的な姿勢の人、失敗を過度に恐れる人、「就職したくないから」みたいなネガティブなモチベーションの人でしょうか。

ある意味ではこれ以上クリエイティブな暮らし方があるのかと思っています。「ないなら作る、ほしいなら生み出す」を楽しめる人、連絡を待っています。ご応募については、当商会へメールでもDMでもくだされば適宜対応させていただきます。

参考までに弟子に関して話しているpodcastのエピソードを貼り付けておきます。ご興味があれば聞いてみてください。

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