内容が長文になりそうだったので、「島に移住した理由」は前中後編の3部編成でお送りします。

私達夫婦が住むところを探して世界のあちこちを周遊しているうちに、1箇所に決めきることができないという悩みを抱くようになったというのが前編の内容

今回は、島にたどり着くまでを書こうと思います。

 

排他と寛容

私が世界のあちこちを回って思ったのは、今の世の中がちょっとずつだけど確実に多様性を許容しない方向、異質な存在を排除する方向に向かっているということです。とくに2016年は元日のケルンでの集団暴行事件を皮切りに、イギリスのEU離脱、トランプ氏の大統領選挙躍進などなどここで詳しく述べることはやめておきますが、もうとにかくそういう世相というものにうんざり半分、恐ろしさ半分という気持ちでいました。

移住を検討しはじめたときには海外に住むことも選択肢としてあったのですが、そういう事情もあったりして(必ずしも日本にそういう世相がないという意味ではありませんが)、差別や治安などの問題を(比較的)御しやすい日本が良いのではないかという結論に至りました。

 

暖かさこそが唯一の選定基準

とは言っても、私は割とどこでも楽しく生きていけるタイプの人間ではあるので、移住先を考える際には妻の意見を最大限に尊重するようにしました。

その妻が出した唯一の希望が「暖かい地域」というものでした。

私達は当時北関東に住んでいたので、暖かい地域ということはすなわち日本国内で関東より南の地域ということになります。そこから色々とリサーチをインターネットで進めて、瀬戸内地方が気候も温暖で美味しいものも沢山ありそうだということが分かってきました。

 

瀬戸内地方への旅

じゃあ一度見に行ってみようということで、長い世界旅行(これに関してはそのうち書こうと思っています)を一端休止して、2016年3月から4月にかけてに一ヶ月丸々レンタカーを借りて瀬戸内地方を中心にあちこちまわってみることにしました。

ヴィッツで一ヶ月二人で車中泊というのはなかなかツラくも楽しいものでした。毎日銭湯に入って、道の駅に停めた車の中で寝袋にくるまって寝る日々。なんだか昭和の逃避行みたいなノリでしたけど、色々な街を訪れて、色々な人に話を聞けたのは貴重な体験で、とても面白かったです。

我らが愛車ヴィッツ(レンタカーだけど)

尾道、広島、岡山、松山あたりをめぐる日々のなか、「じゃあうどん好きだし、香川にも行ってみるか」と考えたのが、いま思えば新たなステージの始まりでした。

たまたま高松を訪れた日は3月19日で、それは瀬戸内国際芸術祭がはじまる前日でした。私達はそれまで瀬戸芸のことをほとんど知らなかったのですが、「せっかくの機会だから島もまわってみよう!」ということになり、「作品鑑賞パスポート」と「フェリー乗り放題3日間乗船券」を購入し、いくつかの島をめぐることにしました。

そんななかで、フェリー乗り放題を効果的に使わないともったいないと考えた私達がある日訪れたのが男木島でした。

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