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何年ものか分からない梅干しを食べてみる

納屋の片付けに取り組む毎日からいまだに脱することができていません。まぁそこまで焦っているわけではないので、夫婦二人でひたすら土嚢袋にゴミを詰めたり、古くて使えない建具などを解体して薪にしたり、古いけど使えそうな建具などをキレイに整理したりという感じで進めています。とりあえず音楽がないと楽しさも半減なので、今日はスピーカーを外に持ち出してビートルズを大音量で流しながら作業をしていました。

梅干しを発見!

さて、そんな中での今日の掘り出し物がこちら。

梅干しが入っていたかめ

そうです。梅干しです。

いや、もちろんこんな感じのかめには梅干しが入っていることが多いというのは知っています。しかしこのかめは蓋が開いていて、中を覗いてみても真っ白の正体不明の物体(写真を撮っていなかったのが悔やまれる!)しか見えなくて処理に困っていたのです。さらに大掃除で出た大量の土埃がかめに入り込む始末。

捨てるにしてももう少し小さく軽くしないと捨てにくいということで、ハンマーで叩き割りました。

あれまぁ、梅干しがいっぱい!

なんということでしょう。中には推定100個ほどの梅干しが入っているではないですか!完全に漬かりきっています。所々に見える塩の大きな結晶に注目。

断捨離が趣味の妻がこれらを捨てるためのゴミ袋を用意するまでのその刹那、細かいことは気にしない夫がその梅干しを口へ。

その場でとりあえず食べてみる。

何年ものなのかは全く分かりませんが、家の使われ方から考えるに少なくとも10年ぐらいは経っていると思われます。

肝心の味は、美味しくないことはないけど、塩味が相当に効いている感じです。色は明るい赤色とかでは全然なく、むしろワイン色と言えるぐらい深みがあります。果肉のジューシー感はしっかり残っていました(ちなみに塩の大きな塊も舐めてみましたけど、梅の風味が若干ついただけのただの塩でした)。塩分がちゃんと効いているので、蓋が開いていて常温に置いておいても雑菌が繁殖せずに長期間の保存が可能なのですね。先人の知恵、恐るべし。

アップはこんな感じ。うーん、見ているだけで唾液の分泌が。
お皿に盛りつけて…
美味しくいただきました!
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納屋だけでなく、パンだって毎日作っていますとも

昨日つなぎを着て島を歩いていたら、お婆ちゃんに「おぉ、もう仕事始めかぁ」と言われました。私の仕事は一体なんだと思われているのかとちょっと不安になります。ここ最近の主要な関心事が実店舗オープンに向けた納屋の改装とはいえ、もちろん日々の物づくり(とくにパン焼き)をサボっているわけではありません。ここのところ島内だけでなく、島外からも注文をチラホラ(ほんとにチラホラ、いやほんとに)と頂いており、何だかんだで毎日あれこれ焼いております。ありがたいことです。

今日焼いたカンパーニュ。

酵母に身をゆだねる

私のパンの作り方の基本は、いわゆる高加水・長時間発酵というやり方です。さらにそれを小さなオーブンで悪戦苦闘しながら焼くものですから、なにせ1つのパンを完成させるのに長い時間がかかります。どれぐらいかと言えば、今日のカンパーニュ10個という注文を、発送する2日前の午前から作り始めたぐらいです。パン作りは基本的には酵母に任せっきりで、私は彼らの機嫌を損ねないように環境を整えることに徹するだけです。「労働」という面からみると私は大したことはしていないのですが、酵母は急かすことも待たせることもできないので、私の生活リズムは酵母の状態に合わせたものとなりつつあります。まぁそれもなかなか楽しいものです。とくにオーブンを開けるときのワクワク・ドキドキは何個焼いても変わることがありません(開けた後の叫び声が「よっしゃー!」の時もあれば、「なんでやねん!」の時もままあるのですが)。

朝日に照らされる大晦日のレーズンパン。

ほんとは作り方をシェアしてみたい

じつは一丁前に私のパンの焼き方動画みたいなものも作ったのですが(真上から撮ってタイムラプスを使うやつ。あれ憧れるんですよね)、段取りの悪さと背景の汚さが気になって完全にお蔵入りしています。新しいキッチンが完成した暁には、バシッとしたやつを撮りたいものです。私よりパン作りのうまいパン屋さんはごまんと居ますが、何かをつくるということに唯一無二の正解なんてものはないはずなので、作り手の数だけやり方があって良いと思っています。だって、パンを作るというある意味で単純なことの背景にも、作る環境、その人の好みや気分、使う素材、その他ほぼ無限の変数が横たわっており、従わなければならないルールなんてものはないのですから。強いて言えば、自分が美味しいと胸を張って言えれば、それがひとつの正解の姿です。っとまぁこんなことを考えているわけですから、世界の色んな作り手が自分なりの方法をシェアするというのも楽しいと思うのです。きっと各々が新たな発見に巡り会えるはず。

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自由の象徴としての発酵食品

突然ですが、発酵食品が好きです。昔はそれほど好きでもなかったのですが、年を取るとともに味覚や嗜好が変化してきたのか、最近は発酵に夢中になっています。

 

発酵とは何かなんてことは難しいのでうまく説明できませんが、要するに「微生物の作用を利用して食品の状態を人間の都合の良いように変化させること」を「発酵」と表現するので間違ってはいないと思います。我が家では現在、いろいろな発酵プロジェクトが同時進行中です。毎日のパン作りはもちろんのこと、ワインビネガーやコンブチャ(これに関してはまた別のポスト)といった液体系、ザワークラウトのような野菜系など様々な発酵食品が我が家の隅っこで瓶に収められています。ちょっとした発酵所状態です。

 

一昔前はぬか漬けや味噌造り(手前味噌の語源ですね)など多くの家庭で様々な発酵食品が製造・利用されていたのだと思います。今はこういった発酵の営みは家庭から消え失せつつあり、もっぱらお店で買い求めるのが一般的になってしまっています。いや、別にいいんですけどね。「安全な材料」で「おいしいもの」が「豊富な品揃え」ですもの。そこまで高価格でもないですし。

 

ただひとつ思うのは、それでは面白みに欠けるということなのです。

 

添加物の安全性うんぬんをここで論じるつもりはないのですが、単純に基本的に食品は「買うより作る方が良いよ」ということをお伝えしたいわけです。どんな食品でも、野菜でもお菓子でも、作る方がより安くて、より美味しくて、より自分好みで、より面白いです。絶対。

 

それらの食品のなかでも特に際立って手作りの良さが出るのが発酵食品だと私は思います。なぜか。イチバンの理由は人間は働かなくてよくて、微生物に代わりに働いてもらうからです。人間のやることは微生物の働きやすい環境を整えるだけ。それだけ簡単な作業をするだけなのに、保存がきくようになり、風味が増し、美味しくなります。まぁ不思議。

 

今日はお店でザワークラウトを提供しましたが、これなんて原材料はほぼキャベツと塩だけです。それにほんのちょっと香り付けとしてジュニパーベリーとキャラウェイシードを加えるだけ。ややこしい添加物なんて入れなくても、こんな単純な構成のものを瓶に詰めておくだけで1年ぐらいもつ惣菜になるのです(このレシピはまた今度)。しかも美味しい。

 

誰がどんな環境で作ったか分からないようなものを食べて、楽しい気持ちになりますか。長ったらしいカタカナで実態が何かよく分からない原材料を使う食品を買って、ワクワクしますか。そんなものよりも、みんながかつて共有していた古い知恵を活かす方がステキだとは思いませんか。

 

大企業があらゆるものを作って提供している現代において、作る自由と喜びを自分達のもとに取り戻すための最も簡単な方法のひとつが発酵食品づくりなのではないかと思うわけです。自分でものを作ることによって(そして失敗することによって)、きっと世界の成り立ちへの理解がより一層深まることになります。それを私は「面白い」と表現したいのです。

これは知られざる名著だと思う。発酵食品についての詳細は少ないけど、DIY精神の大切さをユーモア満載で教えてくれる。